今回は最終章PART-5です。見逃した方は
PART-1は
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PART-4は
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PART-5 手術後のリハビリとフォーム改造〜完治へ(2014年7月〜2016年4月)
18. 2014年7月頃よりギターを弾きながらリハビリを開始。
7月に入ると手術による気持ち悪さもだいぶ減ったので
ギターを弾き始めました。
ギターを弾けることへの感動もありましたが、
リズムが以前よりも全然とれなくなっていることに
愕然としました。
あとしゃべりが全然いけてない(笑)
思っていることがうまく言葉にならない。
まあこれも半年経てば治ると言われてましたが、
1年半くらいかかったかなぁ。
ただ単に年取って言葉がうまく出てこなくなった
という噂もありますが(笑)
10月、3ヶ月検診に行って異常なしでした。
手術した10人に1人くらい再発してしまう人もいるらしいですが
運よくそれは乗り越えられました。
3ヶ月大丈夫なら手術の効果は半永久的に続くそうです。
正直この段階でかなりホッとしました。
11月に入るとリズム感も少し復活、
だいぶ弾ける曲も増えてきてストリートライブ
も行い演奏能力も70%くらい回復しました。
それと同時に右手親指の状態が完全に回復していないため
以前弾けていたときよりも少し内側に入ってしまう感は
拭い去れませんでした。
19. 2014年12月 右手フォーム改造を決意
やはりこのまま続けていてもこれ以上回復しないと思い
右手フォームの改造を決意しました。
もともとフォーム改造をきっかけに
ジストニアになってしまったので、
これを決意するにもだいぶ勇気がいりました。
これまでのフォームから
右手i人差し指、m中指、a薬指をさらに折り曲げ、
p親指を外側に出すようにしました。
親指が外側から回るようにし
手術後でもわずかに内側に屈曲するのを防ぐ。
親指の通り道を変えるイメージです。
見た目に違いはびみょう〜(笑)
あんまり変わっていないので
簡単なように思いますが
まずは爪のあたる場所が変わってくるので
爪の形の研究からしました。
imaの指を折り曲げたことにより
爪がひっかかるようになったので
あっちを削ってこっちを削って
削りすぎたら伸びるまで待って。。。
それだけで7ヶ月くらいかかったかなぁ〜。。。
いまだに試行錯誤です。
この段階で70%弾けてたのが演奏能力10%に逆戻り、
この半年は暗黒の時代でした(笑)
20. 2015年6月 p親指だけで動かすときはOK
p親指とi人差し指、m中指、a薬指を同時に動かすときには
うまくいかないが、p親指だけの場合は
新しいフォームの動きが身についてくる。
この段階で演奏能力40%に回復。
21. 2015年8月 pima全部の指を同時に動かすときも
思うように動いてくれるようになる。
フォームチェンジから9ヶ月、
この段階で演奏能力55%回復。
これまで3歩進んで2歩下がるという感じだったのが
やっと日々回復に変わってくる。
22. 2015年9月 演奏能力68%回復
23. 2015年10月 演奏能力75%回復
24. 2015年12月 演奏能力90%以上回復
ここからは日々少しずつゆっくり回復していく感じがあります。
いまでも昔の自分の動画をみると
よく指動いてんなーぁ〜、と感心します(笑)
新しいフォームが一年経ってやっと身についてきたので
これからはまだギタリスト一年生という
フレッシュな気持ちで望みたいと思います。
残りの10%は1年かかるか3年かかるか5年かかるか
もっとかかるかわかりませんが、
日々良くなっていますし、もっと良くなる気がします。
ほんとに。
最後に自分の考える『フォームチェンジについて』と
『ジストニア克服法』についてまとめてみます。
●右手のフォームチェンジについて
(手術後はもちろん、ジストニアになってない人も気をつけたほうがよいと思うこと)
・まず、野球のピッチャーなどにおいても
フォームチェンジによって肩を壊す選手がいるということを念頭におく。
そのため慎重に長い時間をかけて
おこなったほうがよいと思います。
・脱力はもちろん大事。しかしフォームを変えるには
新しい筋肉を使わないといけないので最初多少の力みには目をつぶる。
最終的に脱力できていればよい。
・パート3で少し触れましたが演奏活動をしている人は
出来ればやめているときにおこなったほうがいいと思う。
新しいフォームを固めようと思っても最初は下手になるので、
どうしても人前で弾くときは古いフォームで弾くことになってしまう。
そうすると新旧フォームが混同してしまう。
(自分もそれでジストニアになってしまったと思う)
・弾いていて調子が悪い日、
思い通りに指が動かない日はギターを弾かない。
そういう日は精神的にも落ち気味です。
ストレスを抱えての練習は絶対によくない、
ジストニアの原因になると思います。
・あとどこかの筋肉がひきつってプルプルしているときも
ギターから離れたほうがいいと思います。
ただの筋肉痛はべつですよ(笑)
新しいフォームの神経回路を構築している途中で、
脳がそれを処理している時間だと推測します。
まあ推測でしかないですけど。。。
●ジストニア克服法
1.一番はジストニアにならない(笑)これがベストです。
山登りをするといいとか、朝カレーを食べるといいとか、
真面目な人はなりやすいとか、本やネットを見ても
いろんな説がありますが、
ジストニアになった人の話しを総合すると
どれもあんまり確実ではないです。
2.ジストニアに(調子悪く)なってしまったらギターから離れる。
ギターから離れてもジストニアになってしまっていたら治りません。
すこし調子が悪いくらいなら治る可能性もあると思います。
ただジストニアになってしまった場合でも
悪化を遅らせることは出来ると思います。
3.ジストニアの原因である悪い信号を出している神経回路を抹消する。
ア)一番手っ取り早いのが定位脳手術です。
僕の場合はこれで治りました。
イ)薬(アーテン)、注射(ボトックス)を使う
これは人により効果が出る場合と出ない場合があります。
楽器演奏など細かい動きが必要な場合には期待が薄いです。
薬は飲みましたが僕には全くききませんでした。
ウ)リハビリを行なう
これも人により効果が出る場合と出ない場合があります。
ゆる体操、アレクサンダーテクニーク、
イザベルカンピニオンメソド、フェルデンクライスメソド、
ホアンキンファリアスメソド(DVD)、
脳のワークショップ講習会
などを見、聞き、体験しました。
かなり説得力のあるリハビリ方法もありましたが
継続を断念、残念ながら僕はリハビリで治すことは出来ませんでした。
エ)非侵襲に脳を電気刺激する手法
新しい治療法で手術よりも気軽にできる方法。
効果はみられるがその効果の継続においては
まだ研究段階だと思います。
今後に期待です。
4.新しい神経回路を構築する
フォームチェンジをする場合でもしない場合でも
一から楽器を始める気持ちが必要でしょう。
3を飛ばして4を行なう場合、
古い神経回路が悪化する可能性があるので
かなり慎重に行なう必要があるかと思われます。
以上をもって私のフォーカルジストニアの歴史は終了です。
フォーカルジストニアの症状はひとりひとりちがうので
どうしてもケースバイケースになってしまいます。
僕のケースをここにこれだけ書いても当てはまらない人がほとんどだと思います。
しかし何かのヒントになればと思い、ここに記させていただきました。
またなにか気づいたことがあれば発信したいと思います。
おわり☆